『重要ポイントとマンガでわかる! 古事記・日本書紀』
先週、18日に発売されています。
古事記と日本書紀のストーリーの比較は以前からやってみたかったことでした。同じ素材を使っているものの、両者は違う人物によって、違う目的で編纂されたもの。当然、挿入されるエピソードやそのつながりにも違いができてきます。
『重要ポイントとマンガでわかる! 古事記・日本書紀』では、あらすじを辿るかたちで比較をしてみました。
重箱の隅をつつくような比較ができるとよかったのですが、今回はページの都合でそこまでは細かくできず。(やると数百ページは必要なうえ、最低、半年はかかります……。)
とはいえ、可能な範囲で、比較することはできたと思っています。
また、古事記と日本書紀の本文をたどるだけでなく、日本書紀に追記されたエピソードもいくつか加えることができたことで、少し厚みのある本になったかなと思っています。
たとえば、スサノオの命が高天原を追放されたエピソードのあとにこんなエピソードがありました。でも、これは、古事記・日本書紀の物語のメインストリームの中では触れられていません。(以下、本文抜粋)
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それは追放が決まったあと、もう一度スサノオがアマテラス大御神に会いに行くというエピソードです。
当然、大御神は警戒します。罰への反発か? 復讐か? それとも、やはり高天原がほしいのか、と。
それに対し、スサノオはただ首を横にふります。お願いしたいのは、誓約で生んだ三柱の娘を自分のもとによこしてほしいというもの。アマテラス大御神は納得し、了承します。もっともそこには、スサノオの血を引く者を高天原に残しておきたくないという隠れた意図もあったのかもしれません。
いずれにしても、約束どおり、娘たちはスサノオが腰を落ち着けた地下の根之堅州国に送られることになります。
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続くオオクニヌシのエピソードで、オオクニヌシはスサノオの娘と恋に落ちます。また、先の誓約で生まれたスサノオの娘も、妻として娶っています。
そんなこともあって、このエピソードがあった方が、全体としての神話のストーリィはスムーズだと感じています。
こうした形で、日本神話をさらに立体的に見ることができたことが今回の本の収穫だったかなと思っています。